図書案内

シリーズ名 K+K PRESS(ケイ・プラス・ケイ・プレス)
タイトル 災害は忘れた所にやってくる
サブタイトル 安全論ノート――事故・災害の読み方
著 者 長谷見 雄二(はせみ・ゆうじ)

ジャンル:建築・防災・危機管理・安全論
ISBN 4-7692-0434-5
定価:本体2,300円+税
判型:四六判ハードカバー
ページ数:282ページ
発行年月日:9月2日

対象:一般、建築・防災関係者



(社)日本図書館協会選定図書

■内容紹介
 建築防災の専門家が見た数々の事件・事故・災害の深層。
 1980年代頃までは、災害が起こっても、それは防災対策が現実に追いついていないことの現れで、研究が進み態勢が強化されれば、災害の再発は防止できると単純に信じられていた。
 しかし、その後に起こった阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件、9.11テロ、薬害エイズ事件、狂牛病問題などが示しているのは、このような素朴な防災の“進歩史観”の崩壊である。
 「防災安全のために、21世紀の社会が進めていかなければならないのは、というより、情報洪水の環境下で新たに進めていかざるを得ないのは、社会に開放された安全維持の方法とその理念の育成を通じて、専門性の強化にまといつく閉鎖性を打開することではないだろうか。さまざまな分野の安全の専門家同士の交流や生活者の視点の導入など、アマチュアリズムの導入も、そのための重要な課題であろう。本書に紹介した災害の対応行動や社会的活動には、その萌芽や出発点になりそうなものも少なくない」(あとがきより)
 

■著者紹介
 1951年、東京都生まれ。1975年、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。
 建設省建築研究所を経て、1997年から早稲田大学理工学部建築学科教授、1999年からNPO法人災害情報センター理事。専門は建築防災・設備。工学博士。
 著書:『ホモ・ファーベルの建築史』(都市文化社)、『火事場のサイエンス』(井上書院)など。

■NPO法人災害情報センターについて
 1982年7月、安全・防災に関わる研究者が集まって「災害事例情報研究会」(代表・難波桂芳東大名誉教授、事務局・防災都市計画研究所)が発足。毎月定例会を開いて災害の研究・分析をおこなってきた。その後、各方面の研究助成を受けながら、総合的な災害・事故のデータベースを作りはじめ、1993年からは経団連関連の基金をもとに早稲田大学理工学総合研究センターで災害情報に関する研究を進め、データベースの公開とオンライン提供を始めた。こうした活動の中から、2002年現在で約13万件の災害・事故事例のデータが蓄積され、社会の各方面で利用されている。データベースの活用に対する広い関心に応えて、1999年には特定非営利活動法人・災害情報センターを設立。早稲田大学理工学総合研究センターの災害情報データベースプロジェクトと連携して、市民、研究者や関係団体が共同して活動を支えることにより将来にわたって災害情報データベースを継続・充実し、社会の安全、災害・事故の予防・対策に寄与することをめざしている。


■目次

 T
事件に遭いやすい人・災害がよけて通る人
災害はいつ始まっていつ終わるのか
目の前で災害が起こったら
宝の山とごみの山
何が面白くて防災を研究するのか――災害調査も命がけ

 U
1999年台湾集集地震に見る「危機管理大国」台湾
ギリシャ正教僧院半島リスク管理の1000年
飛騨高山の先端的伝統防災システム
焼け跡に生える木は火事に弱い
地域災害はなぜ悪循環を繰り返すのか――火災都市江戸・東京と函館の近代災害史
2000年秋愛知県西枇杷島町・東海豪雨の爪痕
災害を忘れるのに何年かかるか――10年風化説
事故予防体制30年崩壊説
災害は忘れるほど時間がたってなくとも所を変えてやってくる――オーストリア・ケーブルカー火災とロンドン地下鉄駅火災

 V
えひめ丸追突事故――原潜に市民を大勢乗せてまともに操艦できたのだろうか
報道が引き起こす「災害」
事故や戦争が中継されている
20世紀と21世紀の境目としての9.11

 W
災害弱者を考える
災害弱者としての外国人
災害の再発防止に死角はないか・その一――関東大震災で煉瓦造に引導を渡したのは正解だったのか
災害の再発防止に死角はないか・その二――「木造は火事に弱い」のは宿命か
建築基準法どおりに建てた建物は安全か?
『安政見聞史』――ジャーナリスト仮名垣魯文の編集者的才能
『白木屋の大火』――日本初の高層ビル火災と有名百貨店の運命
「関東大震災実況」の東京

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